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ブログ @(あっと)驚く あべごろ~

山形県天童市 《フォトスタジオアベ》 のブログ

八甲田山

戦場カメラマンの渡部陽一さんが大人気ですね。
暮れに同級生と酒飲みをしたときに
天童高校の文化祭に渡部さんがきて講演してくれたと聞きました。
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テレビのまんまだったそうです。

高校生の時の人との出会い、本との出合いなど
後の人格形成に大変な影響があるので、
素敵な出会いから何か感じられると良いですね。


自分が高校1年のときには、
文化祭に作家の新田次郎さんの奥さんで
やはり作家の藤原ていさんが講演をされました。
新田次郎さんがお亡くなりになって2年くらい後だったと思うのですが

藤原ていさんが満州から命からがら引き上げてきた様子や
新田次郎さんがどのような思いで山岳小説を書いていたのかなど
高校生でもその凄まじさが頭に浮かぶように話していただきました。

同級生でどれだけの人が覚えているかわかりませんが
自分にとってはかなり衝撃的なパラダイムチェンジでした。

新田次郎さんと言えば何をおいても<八甲田山>
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これは厳しい時代を生き抜くためのリーダーの教科書だと思います。


それほど読書家という訳でもないのですが
藤原ていさんの講演を聴いて新田次郎さんの小説はほとんど読みました。
一昨年映画になった剣岳 点の記
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これは、文章から冬山の厳しい情景などが想像つかず
当時の自分の読解力では難しかった記憶があります。
何より、実際の山岳を知らないと難しいのかもしれません。

映画は自分が本で描いたイメージよりもど迫力でした。


映画の<八甲田山>
明治時代に実際にあった世界最大規模といわれる
八甲田山での遭難事故をモデルに新田次朗さんが書き上げた
八甲田山死の彷徨という小説が元になっている映画です。
自分が中学生の頃に映画で公開されたような気がします。
北大路欣也さんの「天は我々を見放した!」
  の台詞が有名なので覚えている方も多いかと思います。
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わかりやすいように映画の配役で内容をご紹介しますと、
日露戦争が近い明治時代後半に
寒さに強いロシア軍と戦うために
極寒の地でも軍が行動できるような訓練をというので
高倉健さんが演じる徳島大尉(以下、高倉さん)の行軍と
北大路欣也さん演じる神田大尉(以下、北大路さん)、
三国連太郎さん演じる山田少佐(以下、三国さん)の行軍が
弘前からと青森からそれぞれ冬の八甲田山を目指して雪中行軍を
まるで競うようにすることからはじまります。

高倉健さんの部隊は少数で荷物なども最小限にし
軍事であろうとも農民に道案内を頼んだり、
村人に宿泊の地を借りたりしながら
土地勘のある人や専門家のアドバイスを受けながら無事にたどり着きます。

北大路欣也さんも当初は同じように考えるのですが
三国連太郎さんが「帝国軍人たるもの農民の指示などうけるか!」
とばかりに、軍人の精神論を前面にだし、
210人もの大部隊で大量の荷物もソリにつけて軍人だけの行軍となりました。
結果、199人もの死者を出すことになりました。


猛吹雪の見通しの悪いときには精神論だけではどうにもなりません。
厳しい経済状況の現代でも同じことが言えるのかも知れないと感じます。

写真業界などをみていると、
業界内で派手にやっているお店の人を講師に招いて
自社の決算書の数字も読めないようなスタジオの息子が
もっともらしく講釈を話しているようなことも少なくありません。

自分の業界の勝手な常識だけではなく、
お客様や業界以外の専門家の意見なども聞き入れないといけないと感じます。

うちみたいな小さいお店屋さんではメーカー・問屋さんはもとより
税理士さんや銀行の担当者さんといろんな相談をしたり
情報をいただいたりして一歩一歩進んでいかないといけないのだなぁと
八甲田山などからも感じたりします。

反面、高倉健さんの部隊が村に着きその村で野営をするときに
村人から「どうぞ兵隊さん方も家で暖まってください」
とお誘いをうけるのですが

「軍人としての規律がある」
と言ってお誘いを断ります。

感じるのは周りの人から世話になるということは
あまえるという事とは違うのだということを教えられます。

他にも前田吟さん演じる兵隊が自分の弟が凍死しているのを見つけ、
弟の遺骸を背負って行軍をしたいと申し出るのですが

「貴様一人の思いで
    我が隊を危険な目にあわせる訳にはいかない」

と一蹴し、目先の感情論ではなく、自分の任務を遂行します。

このように至る所で高倉健さんのリーダーとして学ぶべき姿勢があり
数ある書物、映画のなかにあって
自分がもっとも学ぶことが多いと感じている1冊です。


余談になりますが
「他力本願は良くない」という人がいます。
でも、他力本願思想というのは仏様が他人を思う気持ちをさしています。

これも同じように人に頼ることは間違いではありません。
世の中、なんでも一人で出来るわけではありません。
他人に頼ることと、他人にあまえることは違います。

一概に間違った使い方と言い切れませんが
その他力本願という本質を理解しないといけないのかもしれません。

世の中自分ひとりでできることなど限られているものです。


同じように、
情けは人の為ならずという言葉があります。

この意味は
「情けをかけてあげれば
    巡り巡って自分に返ってきますから
               情けをかけてあげましょう」
という意味です。

情けは人の為ならず、巡り巡って己(おの)が為
と言われるとわかります。

困っている人をみたら助けてあげましょうという
人間の道義をことわざにしたものですね。

ところが、間違った使い方で
情けをかけるのはその人の為にならないから
           情け容赦をするのは良くないことだ!


と間逆の意味として理解してしまっている人が稀にいます。

ちょっと悲しくなってしまうこともありますが
日本の若者の活字ばなれは結構深刻なのかもしれません。

就職試験の一般教養などで思いがけず出題されたりすることもあります。

いい本を読む、人生のお手本となるような素敵な本や映画と出会う。

高校から大学生にかけては
そんな人生の勉強も必要なのだと思います。







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