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ジャガラモガラの話

このブログを始めたのが2008年7月から
その最初の投稿がこの画像でした
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指定文化財のポジフィルム撮影という仕事で
天童市の東にある雨呼山(あまよばりやま)中腹にある
じゃがらもがらという風穴がある不思議な場所の撮影でした
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「ジャガラモガラ」って何?

天童市民でさえそう思われる方も多いかもしれません
中には
「あそこは姥捨て山だったんでしょう?」
と、昭和50年代以降生まれの人の中には
心霊スポットとまことしやかに思われていることもあるようですが
ちゃんと調べてみると
そんな心霊スポットではないことがわかります
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雨呼山の地滑りでできた場所といわれますが
風穴という冷たい風が出てくる不思議な穴があり
標高500メートルなのに高山植物が咲いています


学校の卒業アルバムの撮影で子供たちの同行して一緒に学んだりしますが
ここは心霊スポットではありません。
所説ありますが、おそらく沙伽羅(シャガラ)龍王という
龍神様のシャガラが訛って《ジャガラ》、
宮殿や眠る場所という意味でサンスクリット語の《モガラ》。
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日照りが続いたときに雨乞いをする
雨呼山の中腹にある不思議な窪地に、
竜の化身のシャガラ王が眠っていると信じられた
神聖な場所とされていたのではないでしょうか


昭和50年代に地元天童高校演劇部の顧問だった先生が、
当時深沢七郎の短編小説を映画化して話題になった
【楢山節考】に影響を受けて書いた
脚本でジャガラモガラを姥捨山だと設定しました

坂本スミ子さんが演じたお婆さんを
山に捨てに行く部分を元ネタにしているので、
それから「ジャガラモガラは姥捨て山」
というのを信じてしまった世代がいるのだと思います

【楢山節考】というのは、
山梨県笛吹市に楢山節という歌があり、
その歌の意味は昔のこの地区には、過去にこんな事があって、
それに節をつけてうたったのではないかということを
考察(想像)したという短編小説なので
元ネタもフィクションだということになります


干布地区は、山寺立石寺を建立した慈覚大師に随行してきた
六社明神(石堂・元木・富樫・奥山・高柳・今野)が
上荻野戸地区に居を構え、
そこで集落の人々に天台宗の教えで
文字や道徳、開墾や灌漑・治水、農業や大工仕事などを教えて、
何代にも渡って山寺を切り開き立石寺を建てた地区
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天台宗で道徳教育された地元の村人が、
龍神様が眠る神聖な場所に姥捨てなどまずしないはず

つまり

ジャガラモガラは姥捨て山ではありません
むしろ神聖な場所です

ちなみに六社明神の家のあとも今でもわかり
上荻野戸の八幡様には六社明神を今でも祀ってあります。

根拠もなく心霊スポットにしたり、
宗教とオカルトを結び付けたりというのは
しない方がいいんじゃないのかなと思う
ジャガラモガラのお話でした





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●山形県天童市の写真スタジオの店主です
●写真のレスキュー隊というテーマでイラストを描いてもらったら、なんとなく兵隊さんのようなイメージになりました。二等兵から頑張ります

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