ハードボイルドエレベーター物語
俺は慌てることなく、1階からゆっくりとエレベーターに乗った
そして目的の場所の8階のボタンをそっと押し、
エレベーターの 閉 ボタンに右手の中指でそっと触れた
すると、80歳を少しすぎただろうお爺さんが
駆け足でエレベーターに向かってくるのが見えた
俺は 閉 ボタンから中指を離し、急いで 開 ボタンを親指で押した
エレベータのドアが軽くガクンとなって閉まりかけたドアが開き始めた
白髪頭で色白な好好爺を絵に描いたようなお爺さんは
優しく上品な山形弁で
「いやぁ いがったぁ~ 間に合った~~」
微笑んでいた
が、次の瞬間
「あ! 上さ行ぐのがぁ~?」
地下に行きたかったお爺さんが若干あわてているのがわかった

2階から3階に登っているエレベーターのなかで
「どれ 3階で降りっかぁ~」
お爺さんが3階のボタンを押した次の瞬間
エレベーターは無常に3階を通り過ぎてしまい4階が点滅した
「ないだぁ ダメがぁ んだら4階がぁ」
お爺さんは4階のボタンを押した
すると次の瞬間エレベーターは無常に4階から5階に移動していた
お爺さんは
「ないだ、ないだ、ないだぁ? ん~ ししょないなぁ(しょうがない)」
さらに6階のボタンを押そうとした
お爺さんを見ていた俺は囁くようにつぶやいた
「お父さん 8階まで行ぐべはぁ!」
しかし、
お爺さんの指はすでに6階を押してしまっていた
結局、急いで地下に行きたかったお爺さんは
8階まで一緒に行ってから別れた
将来の自分の姿を見た気がした 俺 だった・・・・
そして目的の場所の8階のボタンをそっと押し、
エレベーターの 閉 ボタンに右手の中指でそっと触れた
すると、80歳を少しすぎただろうお爺さんが
駆け足でエレベーターに向かってくるのが見えた
俺は 閉 ボタンから中指を離し、急いで 開 ボタンを親指で押した
エレベータのドアが軽くガクンとなって閉まりかけたドアが開き始めた
白髪頭で色白な好好爺を絵に描いたようなお爺さんは
優しく上品な山形弁で
「いやぁ いがったぁ~ 間に合った~~」
微笑んでいた
が、次の瞬間
「あ! 上さ行ぐのがぁ~?」
地下に行きたかったお爺さんが若干あわてているのがわかった

2階から3階に登っているエレベーターのなかで
「どれ 3階で降りっかぁ~」
お爺さんが3階のボタンを押した次の瞬間
エレベーターは無常に3階を通り過ぎてしまい4階が点滅した
「ないだぁ ダメがぁ んだら4階がぁ」
お爺さんは4階のボタンを押した
すると次の瞬間エレベーターは無常に4階から5階に移動していた
お爺さんは
「ないだ、ないだ、ないだぁ? ん~ ししょないなぁ(しょうがない)」
さらに6階のボタンを押そうとした
お爺さんを見ていた俺は囁くようにつぶやいた
「お父さん 8階まで行ぐべはぁ!」
しかし、
お爺さんの指はすでに6階を押してしまっていた
結局、急いで地下に行きたかったお爺さんは
8階まで一緒に行ってから別れた
将来の自分の姿を見た気がした 俺 だった・・・・
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